上下体癖についての追記
更新日:2020年4月16日
身体の周期についての記事の奇数・偶数体癖のアイデアとして
高潮期=重心側(+)への気の集中と発散
低潮期=非重心側(-)への気の集中と供給
という案を提示しました。
高潮期には重心側が敏感になる時期で、気が集まると共に発散も強まる。
低潮期は非重心側が敏感になり、気が集まり、力も集まる。ということです。
私が提示する高潮期、低潮期は野口整体の定義とは違う可能性が高いのでご了承ください。
ただ、このように考えることで体癖論がスッキリわかりやすく見えてきます。
この体の周期の活用は普段の施術においては注目していたのですが、体癖論と繋げて考えたことはありませんでした。
1種が体の中心側に意識が偏り、2種が外側である、可能性もあると睡眠時の気の流れで書きました。これは奇数・偶数体癖の全般的な特徴であるかもしれないと思っていました。
しかしもう一つの可能性として低潮期・高潮期の身体の特徴と照らしてみると、上下体癖の緊張部位のパターンとぴったり一致する、ことに気づきました。
首の緊張パターンを模式的に書いてみます。
まず1種体癖の場合首の真ん中が緊張するのが特徴です。
左が重心側で全体として太く発達している、右が弱く力が無いパターンで以下のように示します。
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奇数体癖はこのプラスになった過剰エネルギーがあふれることにより発散します。発散したエネルギーは自然に赤色で示した-部分に流れバランスを取りプラスマイナスの差がなくなります。
次は2種体癖の場合は首の横、胸鎖乳突筋が硬くなるのが特徴と言われています。
胸鎖乳突筋が硬くなる場合、逆側の首の真ん中側の力が抜けて敏感な状態になっているのが特徴です。※この特徴は私が経験的に普段感じていることで、野口晴哉氏は特にこの首の真ん中の力の抜けについては述べていません。
以下に左胸鎖乳突筋が硬く、右首の真ん中の力が抜けているパターンを示します。
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偶数体癖は非重心側・力が足りない側が過敏に働き、この力が満ちるようにエネルギーを蓄えることが特徴で、マイナス部分に力が満ちて弾力が付くことにより、左の過剰エネルギーが発散する、という風にバランスを取ります。
つまり左胸鎖乳突筋の過剰エネルギーは、右の力が無い状態のいわば影のようなもので、主導するのは右の首真ん中の力が抜けている状態である、ということです。
このように捉えると1種2種の違いは、焦点の方向性の違いから生まれるのでなく、気の集散の特徴の違いとして捉えることができます。野口晴哉氏の言う偶数体癖の集中欲求という特長にも合致していて、今の時点ではこちらの考えの方がすっきりしているので、こちらの方が妥当のような気がします。
2種は、あれやこれや考えがまとまらず、それが体の異常感覚として現れる特徴もあります。これを野口晴哉は間脳過敏状態と読んでいます。
この性質を、私が提示した気の流れから説明できるかは今後の検証課題です。
なお気の流れの基本法則の記事で体の緊張部分と弛緩部分がどのようにバランスを取るのか、の基本法則を解説していますので、上の模式図の理解の参考にしてください。
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