『呼吸をふわっと整える』片山洋次郎著考NO3
引き続き本書についての雑感です。
まだ本題に入らず「間合い」についてです。
第3章 人と人のあいだの呼吸
では片山氏自身の整体の施術での間合いの取り方を詳しく述べています。
--間合いの調整-お互いの気が共鳴する間合いを調整する--
①正座している相手の後ろに少し離れて座り両手を受け手の方に向ける。
②施術者の緊張を解きながら相手の呼吸をぼーっと眺める。
相手の背骨の敏感なところが動き出す。
それに施術者は共鳴して自身の内側でも感応が起き、首や背中が温かくなったり、手の平にじーんという振動を感じたりする。
施術者も受け手も基本的には同時に反応し、反応を感じるが感じ方にずれがある場合もある。
人と人の共鳴が起こった時の例として「あくび・微笑・笑い」が取り上げられています。
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間合いが合い共鳴が起こった後の調整について次のように述べています。
お互いの反応が強くなり、間合いが詰まり、引き込まれ、動きが停滞する
この時手にも自然と力が入ってしまう。
この停滞したエネルギーを動かすために、間合いをちょっと外す、角度をかえる
手の力も抜く。
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このような整体での間合いの取り方を踏まえて、日常の人と人の付き合いの中で起こる「傷つきやすいデリケートな今の人間関係」での間合いの取り方の指南、コツをいろいろな場面に応じて述べています。
向かい合い過ぎない=正面から向かい合うと反応が強くなりすぎ、解決策を見いだせなくなる。強くないが緩やかな横並びの間合いを保ち、ほっと一息つける間を創る。
その間が何か新しいものを生む、もしくは停滞を破る一つの方法として見直されていいのではないか、というのが片山氏の提案なのではないでしょうか。
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