『呼吸をふわっと整える』片山洋次郎著 考NO4
NO3で片山氏の間合いの取り方について、紹介してきましたが、前にも書いた通り私の今の整体方法では「間合い」はON.OFF、反応があるか、ないかで、反応が強ければ強いほど、施術する側としてはありがたい、と思っています。
「間合いが詰まる」という表現で片山さんがどのような状態を指しているのかは、直接聞いてみないとわかりません。
たぶんですが、一つの例として、こめかみに詰まるようなこわばりがあり、そこに意識を向けることにより、そのこわばり感がより強くなり、ゆるんでこない、というような状態を指しているのかな、と思います。
このような場合片山さんなら、触れている手をこめかみから遠ざける、手の力を抜くことにより間合いを少し外す、身体の向きをずらす、という手法を取るでしょう。
私であれば、一つは片山さんと同じベクトルのような気もしますが、間合いが詰まるということはそこにエネルギーが集まりすぎている、ということなのでこめかみ方向側と反対側に意識の方向を向けるために矢印をイメージする。そしてその矢印をこめかみに張り付けて外に向ける、という方法が一つ。
もう一つはより反応が強くなるように指の角度を決める。向かい合うように角度を取るので180度かもしれません。強くなったエネルギーは、筋肉にも影響を与え、身体が反射で動き出します。特に骨盤にこわばりがある場合は顕著ですが、良い位置に動こうとして吸う息で力が入り、骨盤周りの筋肉が自然に動きます。その時にその動きをブロックしている対になっている部分が現れます。それは痛みとしての場合もあります。ここで露になった二つのポイントを同時に触るというのが「陰陽を同時に触る」という私の整体の基本です。
お断りしておきますが、これらの反応は共鳴して施術者側に起こる反応について書いています。受け手の方は、寝てしまって反射で体を動かすことはよくありますが、ほとんどの場合はこの施術者の反応がおさまり静まったときに、結果として筋肉のこわばりがなくなったその状態しか感じない、という場合の方が多いような気がします。
陰陽の相反する力を利用する施術は様々あると思いますが、私がこのやり方を使うヒントになったのは占星術のアスペクトという考え方です。惑星と惑星がある角度になったときにお互いが特定の影響を与え合うという考え方です。
特に陰陽に一致するのが直交する90度の角度で惑星同士が交わる時です。
90度のアスペクトはスクエアと言いますが、この角度になったとき惑星同士はお互いを否定してどちらかをつぶす、と言われています。一方が強まればもう一方が弱くなる。片方が足を引っ張る。昔の占星術では「凶」と言われ、忌み嫌われていたようです。
しかし今ではこの力をうまく利用できれば根本的に状況を変化させることができる、と言われています。
先の例のように間合いが詰まってこわばったポイントにさらに意識を向けると別の痛みを伴うポイントが露になってきます。この痛みを避けるべきものとして遠ざけず、身体のバランスを取り戻すテコとして活用するのです。
この痛みは一方だけに意識を集中した時、つまり肩入れした時に起こる現象で、この相反する力を同時に意識することができればこわばりと痛みの両方が解消されるのです。
息詰まった状態を変化させる方法は一つではありません。
占星術のアスペクトも0度60度90度120度180度と主なものでもこれだけあります。
間合いでも直交する陰陽の力でもどちらでも身体を変化させることができるはずです。
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