otua87

2020年4月26日

整体からみる季節の身体(穀雨4/19~)

最終更新: 2020年4月29日

24節気における穀雨は西洋占星術のおうし座と始まりは同一です。

整体的な季節の変化をどのように判定しているのかを一度も書いていなかったので今回書こうと思います。基本的には、自分自身の体の反応を観察してそれを基準としていますが、もちろんそれに加えて他の人も同様に変化しているかを、実際の観察を通して判断しています。

基本的には24節気の移り変わりと、実際の身体の変化はかなり一致しているのですが、自分の体に調子が悪いところがあったりすると判断が難しくなってしまいます。

今回の穀雨・おうし座のはじまりの変わり目は、私にとって非常にわかりづらく、またコロナウィルスの影響もあり、ぐんと人を観る機会が減っているのでさらに判断しづらい状況になってしまいました。

また、この季節の身体観察は二月初めの立春ころから始めましたが、立春~春分までの内から外に強く発散する気の流れが落ち着き、今は反応を取りにくい、という面もあるように思われます。さらに私自身の腸の調子が今一であったことも判断しがたい状況をつくっていました。しかし腸が敏感に反応するのは季節の反応と一致はしているのですが・・

私自身は片山洋次郎氏に整体を学び、片山氏の提唱する身体間の共鳴を利用した愉気法が技術の核になっています。季節の身体の変化についての考え方は野口整体にもあります。片山氏は野口整体の季節のとらえ方を参考にしつつも、自身の観察を踏まえて独自の整体から見る季節の身体の変化を一冊の本(整体かれんだー)にまとめています。

しかし片山氏に学んだ私が片山さんの考え方をただ紹介しているだけ、というわけではありません。

野口整体や片山氏の観方をレファレンスとしつつも、よりシンプルな気の流れに基づく法則性を見つけ出し、提示するのがこのブログの目的でもあります。

私の場合、考え方のヒントとしているのは「整体」の世界よりもシュタイナーや西洋占星術で有名な松村潔氏の考え方にあります。事実のケース集として整体は宝庫と言える価値はあるのですが、理論としては私からすると未完成なものと映ってしまいます。

季節の身体の変化の法則を考えること自体、かなり危うい、というか観察の目を曇らせる可能性のあることです。それは野口整体の体癖についても言えることなのですが、ある法則性がある、という色眼鏡で対象を見ると「そのように見えてしまう」という危険性が常にあるからです。

私自身5~10年ほど前に自分自身の観察と理論に基づく季節の身体変化の法則を形にして実際の施術の基礎としていたですが、結局ある理論をもとに身体を観察すると全員同じように反応してしまうという弊害の方が大きく感じるようになり、季節の変化をもとに施術することをやめていました。

ではなぜ今また季節の身体の法則性を観察しているのか、というと、5年前の自分より気の流れを自分自身でコントロールできるようになったという自覚があるからです。気の流れを好き勝手に動かせる、というわけではありませんが、意識の焦点移動に伴い気が動く度合いが、ここ数年格段に敏感になっています。そうすると様々な気の流れを自分自身の身体でシミュレーションすることができるようになり、理論の検証を自分の体で簡単に実験できるようになった、ということが改めて季節の変化の法則性を見つけ出そうと思った一番の理由です。

気の流れの一般的な法則はホームページや今までのブログで概要を書いていますが、気の法則性を実感するには、やはりそれなりの時間がかかります。それに対して季節の変化に伴う体の変化の実感は誰にでも身近に感じられるもので、その変化の下にある気の法則を見つけ出すことは、誰にでも活用できるツールを提供することになる、との考えから「整体からみる季節の身体」についてもう一度観察しようと思った次第です。

最初から正解があるわけではなく自身と他の人を観察しながら、仮説を検証しているので若干の紆余曲折があることをご了承ください。

さて、4月19日に穀雨・おうし座に入り、今までのパターンと同じように左優位の反応から右に変化するタイミングがいつ来るか観察していたのですが、私自身過敏点がはっきりと捉えられなくなり、判断保留状態が続いていました。

片山さんがtwitter「身がまま整体 気響会」上で書いているように、コロナ禍のストレスの影響からか、胸椎11番右が硬くなり、上に持ち上がっている状態、さらに胸椎5番あたりまで硬くなっているのが自分のからだの実感としてあります。

しかしここ2カ月観察し続けて、はっきり見られた過敏反応ラインの左右移動が今回は明確でなくなっています。この季節の反応移動は身体の上から下まで全体にわたる反応なので、変化した場合には、はっきりと確認できるものです。

私が仮定している反応パターンとしてはおうし座の4/19~5/19が首からの発散が主導してへそを中心とする腰椎1~5番ラインが変動する、というものです。これは何度か説明している身体の中心を支点にして等距離の場所は連動して動く、という法則に則った反応です。

2月から4月にかけて頭からの発散に促されて、骨盤は下から一度ゆるみ、順に上にゆるむポイントが移動していく、というサイクルを経ました。ゆるみ切ったものは自然に力が集まり、引き締まる、というのが気の基本法則です。4/19からは骨盤より上、腰にポイントが移ったのでへそまわりの臓器、小腸・大腸に変動が出やすいという特徴が見られます。整体においても春の山菜の出回る時期に季節のものを食べることが良いとされていますが、これは、消化の悪い春の山菜をとることにより、胃腸を動きを活性化している、という風に言われているのです。整体は表に現れる症状を単に悪と捉えるのではなく、体を組み替える経過としてとらえる見方をします。

主導する首の変化としては、今までお伝えした法則に従うと身体の前側からの発散が強くなるはずなのですが、気の流れを自分でシミュレーションして動きを観察すると、あまり敏感に反応しません。しかし首の後ろ側の体の表面外側に意識を合わせると、体表を降りた気が首の付け根~肩上ラインで引っかかる反応が強く表れています。今まで春分~秋分の時季は体表前側を上から下へ、秋分~冬至~春分は後ろ側を下から上との見方を紹介していたのですが、春分~秋分は体表全体を上から下へ流れ、秋分~冬至~春分は体の内側を下から上に流れるという可能性も視野に入れて観察していこうと思います。

自分での気のエクササイズとしては首から気が発散するように促すことがポイントとなります。

意識の焦点を首の周りにあわせます。首の前側の気の発散を促すために意識の焦点を首より前の空間に合わせて、身体の内側に反応が起こるポイントをサーチするのですが、私の場合は反応点がかなり遠い所にあるようで前80センチくらいのところに焦点を合わせたときに反応が起こります。背中側はそんなに遠い位置ではなく10センチほど離れたところで、首からの気の発散が始まります。

首の反応が自分が想定しているよりもかなり遠い位置でないと発散が始まらなかったのが、今回季節の変化のポイントを見失った要因の一つです。

一般的な傾向として人間の意識は前側に偏っているので、前側の反応点は遠く、後ろ側の反応点は近い、と言えるでしょう。

首からの発散が始まれば、腕の付け根~手首とどんどん発散が始まり涼しい風が抜ける感覚が起こります。それと同時にへそまわりが温かくなる反応がでてきます。今私自身が腸の調子が過敏なので、反応しているのか、季節的な反応なのかは判別は難しい所なのですが、上が反応すれば、対応する下も動きだす、というのは確かです。

また、意識の焦点の合わせるときのコツとしては外の空間を「自分」の外にある別のものとみるのではなく、「自分が外側の空間に広がる」とイメージしたほうがより反応が強く起こります。そもそも「気の反応」自体が肉体に張り付いた自己意識が肉体からずれたときに感じる身体感覚である可能性が高いと私は考えています。エア気功の記事は自分の身体意識と肉体のズレを作ることにより、気の反応を感じるエクササイズとして紹介しましたので是非試してください。エア気功の場合はイメージの手を動かすものですが、イメージの頭を左右に振るのが一番気の反応が身体感覚として感じやすいので試してみてください。

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